初めての株式投資

第16回出来高について

前回は「ストップ高安銘柄」について紹介しましたが、今回は「出来高」について紹介したいと思います。

「出来高」とは、一日など期間内で成立した売買の数を指します。「売買の数=取引量」ですから、「出来高の多い株=市場の注目度の高い株」と判断しても良いでしょう。「ボリューム」と呼ばれることもあります。

「出来高が増加=活発な商いが行われている」とも判断できますから、相場の盛り上がりを示す「物差し」としても見られています。東証1部市場の出来高の推移を見てみると、相場の山や谷の部分で多くなっていることがわかるのではないでしょうか。

これは個別の銘柄でも当てはまりますが、一つの欠点があります。東証1部所属の出来高ランキングを見てみると、多くは1000株単位の銘柄、知名度の低いものや株価水準の異常に低いものが並んでいると思います。

少し前では、上場廃止目前だった日本航空<9205>が出来高上位の常連でした。発行株数が多いうえ、株価もゼロ円に近い水準に低下していたため、数円分の売買差益を狙った売買で出来高が膨張していたからです。

個別要因で出来高ランキングに変化が出てくるため、他の銘柄との比較では効果がありません。個別銘柄では、過去の推移との比較で判断しましょう。

出来高の欠点を補う「ボリューム指標」としては、「売買代金」があります。次回で詳しく紹介しますので、お楽しみに!

第17回売買代金について

前回は「出来高」について解説しましたが、今回は「売買代金」について紹介したいと思います。

出来高には、株価水準や単元株の与える影響が大きく、商いの盛り上がりを示す「ボリューム指標」としては欠点があることを前回お伝えしました。

そこで注目されるのが「売買代金」です。売買代金は、売買単価(株価)に出来高を掛けて算出されていますから、株価水準や単元株の影響を受ける出来高と違い、素直に「取引量を示す物差し」として活用できます。

やや株価水準の高い「値がさ株」の影響を受けやすいものの、それでも出来高ランキングに比べて、売買代金ランキングは素直に「市場の注目銘柄」を映す目安となるでしょう。同業種の銘柄比較にも適しています。

市況ニュースなどでは、1000株単位の銘柄が大勢を占めていた昔には「出来高」が重用されていましたが、単元株制度のなくなった現在では「売買代金」を中心に扱っています。

それでも、証券会社の取引システムやチャートソフトでは、出来高推移の表示が多いようです。「出来高」と「売買代金」を併用して、「取引量」の確認を行いましょう。

次回は「時価総額」を紹介します。お楽しみに!

第18回時価総額について

前回は「売買代金」について紹介しましたが、今回は「時価総額」について解説します。

時価総額とは、上場企業の株価に発行済み株式数を掛けて算出されます。株価には、企業業績や財務内容だけでなく、成長期待や投資リスクが織り込まれますから、発行された株式の総数を掛けて算出する時価総額は、本質的な企業価値を評価するための指標とも言えるでしょう。

ただ、発行済み株式数が多ければ多いほど、株価変動の影響を受けやすくなります。逆に、株価水準が高ければ高いほど、株価の変動幅が増していきますから、発行済み株式数が少ない場合は影響が避けられません。

それでも、東証1部市場への昇格や上場維持のための基準として設けられるなど、企業の総合的な実力を示す指標として使われています。時価総額が大きければ大きいほど事業安定性が伴いますから、時価総額上位の株式は「投資適格の高い証券」とも言えるでしょう。

時価総額ランキング上位の常連企業としては、トヨタ<7203>、三菱UFJFG<8306>、NTTドコモ<9437>、NTT<9432>、ホンダ<7267>、キヤノン<7751>など日本を代表する錚々たる企業が並んでいます。簡単に検索できますから、金融情報サイトで調べてみてください。

一般的には、上場企業株式ではない上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)などでは使われませんが、純資産総額に置き換えられます。純資産総額は、信託財産の中に組み入れられている株式や債券を時価評価し、未払金など負債や運用に必要なコストを差し引いて求められたもので、時価総額同様に銘柄の価値を調べる上での手掛かりとなるでしょう。

次回は今回でも少し取り上げた「上場投資信託(ETF)」を紹介します。お楽しみに!

第19回上場投資信託(ETF)について・前編

前回は「時価総額」について解説しましたが、今回は「上場投資信託(ETF)」について紹介したいと思います。

上場投資信託とは、文字通り「上場している投資信託」です。ETFとも称されていますが、Exchange Traded Fundの略で、直訳すると「取引所取引投資信託」になります。

通常の投資信託との違いは、上場株式と同様に証券取引所で売買できるため、信用取引の活用など株式投資同様の取引を可能にしている点が挙げられます。また、組成後の管理運用が容易なことから、信託報酬も安価に設定できるなど、様々な利点があります。

投資家視点から見ても指数連動型であれば、日経平均株価やTOPIX、業種別株価指数やダウ平均など様々な株価指数に連動した値動きとなるため、価格変動もマイルド。主要株価指数は一般ニュースでも報じられるため、時価水準の把握も比較的容易なのではないでしょうか。

個別銘柄であれば、突発的な悪材料で急落することがありますが、株式相場が崩れる「ショック安」でもない限りは、株価指数が大きく下落することはないでしょう。個別銘柄に対するヘッジ手段としても有効活用できます。

また、ETFの多くが比較的低価格で公開されているため、現物取引よりも手掛けやすく、初心者が取引を開始するには最適の投資先ではないでしょうか。

次回はETFの種類など「上場投資信託」についてより詳しく解説します。お楽しみに!

第20回上場投資信託(ETF)について・後編

今回は前回から引き続き「上場投資信託(ETF)」について解説を進めたいと思います。

前回では、上場投資信託の特徴から、株式投資初心者に相応しい銘柄として紹介しました。今回は「上場投資信託の種類」を挙げてみたいと思います。

ETFには、国内外の株価指数や商品価格、為替など豊富に取り揃えられていますが、市場参加者の多くは株式投資を主体とするわけですから、やはり中心となるのは、株価指数連動型でしょうか。

具体的には、日経平均株価に連動する日経225連動投信<1321>やインデックスファンド225<1330>、TOPIXに連動するTOPIX連動型投信<1306>、インデックスFTOPIX<1308>などがあります。

また、TOPIXにはコア30やTOPIX100を対象としたものや、業種別株価指数に連動したETFもありますが、出来高や売買代金など流動性に乏しい銘柄もあり、ボリューム面で優れている銘柄を取引したいものです。

続いてボリューム面で優れているのは、金価格に連動したETFです。SPDRゴールドシェア<1326>、金連動投信<1328>などがあります。数年前からイン フレヘッジとして「金投資」の有効性が取り沙汰されましたが、地政学的リスクなどにも優れており、未だ根強い人気があります。

同じ商品価格に連動したWTI原油ETF<1671>、ETFS白金上場投信<1674>なども海外商品市況に順じた値動きとなるETFもあります。

ユニークなものには、東証リート指数に連動した上場Jリート<1345>、上海株式指数に連動した上海株式指数投信<1309>、ブラジル株式市場のボベスパ指数に連動したNEXTFブラジル<1325>などが有名です。他にも多数の上場投信があり、好みのETFを探してみてはいかがでしょうか。

次回は今回でも取り上げた「株価指数」について詳しく解説したいと思います。お楽しみに!

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